ケミナビ開設秘話|レターケースに積まれたFAXの山と、進化する「繋がり」のカタチ <後編>
2011年、ようやく完成したケミナビ。
待望の誕生に歓喜する一方、社内ではまだ馴染みのないデジタルツールがもたらす変化に対し、戸惑いや懸念の声もありました。
「コミュニケーションがなくなる?!」懸念を越えた新しい繋がり
このデジタル化には、社内から「顧客とのコミュニケーションが希薄になるのでは」という懸念の声もありました。かつての営業スタイルにおいて、サンプル依頼は会話から提案を広げる重要なきっかけだったからです。
しかし、ケミナビが提供したのは、単なる効率化以上の価値でした。
若手研究者のニーズを掘り起こす: 「サンプル1つのために営業を呼ぶのは申し訳ない」などという研究者の心理的ハードルを、クリック一つの「程よい距離感」で解消しました。
繋がりの進化: 単なるスペック表の提示にとどまらず、処方検索や用語集など、コンテンツを拡充
現代のコミュニケーション: 対面の会話が減ったとしても、「研究者が今知りたい情報」をタイムリーに届けることこそが、新しい時代のコミュニケーションであると定義しました。
2024年、ケミナビ リニューアル
開発当初の「Amazonのように、気兼ねなく頼める」という思想は、Yさんから新たな担当者にバトンが渡った今でも引き継がれています。
2024年、リニューアル担当者がこだわったのは、研究者の思考回路に寄り添った検索性の向上です。
従来の製品名検索に加え、用途や処方例などからより感覚的に探せる「多軸検索」を導入。さらに、産業分野ごとのデータや、物性情報、規格、認証データなど、これまで営業担当者に問い合わせなければ分からなかった詳細情報も、Web上で即座に確認できるよう充実させました。
また、単に原料を並べるだけでなく、「開放研」によるウェビナー動画の配信や、コンセプト情報、処方集など、開発のヒントとなる情報の提供に力を入れています。
「今、研究者が知りたい情報」をタイムリーに届けることが、当社が提供できるトータルサポートだと考えています。
AI時代の「研究者のノート」を目指して
そして今、私たちはその先にある「AI時代」を見据えています。
検索挙動は、検索窓にキーワードを打ち込む時代から、AIへの対話形式にシフトしつつあります。ケミナビは単なるカタログサイトを超え、研究者の皆様にとっての「ナレッジベース」や「研究ノート」のような存在になることを目指しています。